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つかれただいまー
出張でした山乃です。
出張って言っても講習受けるための出張だったんですけどね。
環境が変わったことが予想以上に疲れました。

この2日間はPCからもスケッチブックからも遠のいていました。
晩はテレビ見る以外すること無かったので、眠くなるまでぽちぽちと文章の練習なんぞしていました。
というわけで書けたところまで続きに掲載しています。
全部書けたらホシウタのイントロダクションにでもしようかと思ったのですが・・・無理でしたー。

「説明しようとしていないけど説明できてる文章」を目指したんですが、ちゃんとそうなってますかね…?;
漫画やツクールと言う表現系をするまでは一応文章触ったこともあったので、多少でも気に入ってもらえたらうれしいのでした。


※追記
ベクターさんを見てみたら、まだ「夜明けのホシウタver2.0」は更新されていないみたいです。
スクリーンショットは更新されていたんですけどね・・・。
今週末になるのかなあ・・・。それとも来週に持越しかなあ・・・・・。

 真っ黒な夜空を、小さな光の粒が走った。それが、トトがはじめて見た流れ星だった。
 流れ星は一つや二つではない。そんなにたくさん降ったら、夜空の星が減ってしまわないかと心配になるくらいの数だった。
 十歳になったばかりのトトは、口を開けたまま、この大流星に見入っていた。大人たちが言っていたとおり、十年に一度の大流星は圧巻だ、と思った。
 しばし、夜空に見とれていたトトは何かが小石を踏んだ音で我に返った。振り返ると、すぐ後ろまでナユタが近づいてきていた。ナユタは、巨体の割には動くときに出す音が少ない。太い尻尾をゆっくりと右へ振って、軽く首を傾け、トトの表情をうかがっている。
「おまえはついてこなくてもよかったんだぞ、ナユタ」
 体をナユタの方に向き直してトトが言うと、ナユタはまばたきをして丸く分厚い耳を後ろに傾けた。星明かりで緑色に光る目をトトに向けたまま、里に帰る様子はなかった。もう体つきは大人だろうに、ナユタは子供の時と同じように、まだトトのあとを着いて回っているのだった。
 トトは、子供らしく、大仰にため息をついてみせてから、元向いていた方を見た。好きにさせよう、と思ったのだろう。それ以上ナユタにかまおうとはしなかった。
 もうすぐ、この方向から里の男たちが帰ってくるはずだった。その中にはトトの父もいる。
 大流星の日は、地上からカゲが一斉にいなくなる。たった十歳のトトが里の外まで出迎えに行くのを許されたのには、そういう理由があった。トトはそれがうれしくてうれしくて仕方なかった。
 父のラルイカに会うのは久しぶりだった。一ヶ月前に里の他の男たちとともに用事に出ていたのが、今日、ようやく帰ってくると文があったのだ。
 一ヶ月も会っていなかった間に、父に話したいことがたくさんたまっていた。昨日は、一歳になる妹のコクリを、上手に寝かしつけることができた。父に教えてもらったウサギ捕りの仕掛けを、ひとりでできるようになった。トトの話を、父は、いつものように、穏やかな微笑を湛えて耳を傾けてくれるに違いなかった。何より、父と一緒にこの大流星を見たかった。
 『星の見える丘』と呼ばれるこの丘の一番高いところに立って、遠くを見渡していたトトは、暗い荒野に、小さく男たちの人影が歩いてくるのを見つけた。
 父さまだ…! 男たちの姿はまだかなり遠くにあったが、トトは待ちきれずに駆けだした。ナユタが遅れてついて来たが、それに気づいてもいなかった。
「父さまーーー!」
 父を呼びながら息を切らすこともなく、男たちのそばまで近づいてくると、トトは一人一人の顔を確認しながら歩調をゆるめた。
 父はなかなか見つからなかった。
 トトは違和感に気づいた。男たちはみな、暗い表情でうつむいて歩いているのだ。不思議に思って、もっと男たちの様子を見てみようと歩みを止めた時だった。トトの前で男の一人が立ち止まった。里の中でも年長の、父と仲のよい男だった。彼が何か言うのを待ったが、彼が口を開くことはなかった。
「父さまは…?」
 トトが問うと、彼は黙ったまま何かを差し出した。
「これは…?」
 トトが受け取った朱色の剣は、紛れもなく父のものだった。
「父さまの剣? どうして剣だけなの? 父さまは…?」
 トトはただならぬことが起きているとに気づいていた。何が起きたのか知ろうと問いつのるトトを、彼はただ苦痛に耐えるような顔で見つめるだけだった。やがて目を伏せ、他の男たちと同じようにうつむいて歩いていった。
 彼らの様子から、幼いトトも何が起きたのか悟ってしまった。腕に、抱くようにして抱えた朱色の剣の輪郭がぼやけてにじみ、次々に頬を涙が伝った。
 ゆっくりと歩いてきたナユタが、トトに寄り添うように立ち止まったが、それに気づきもせず、泣き、喚きながら、トトは大声で父を呼んだ。届くはずがないと、伝わるはずがないとはわかっていながら、叫ばずにいられなかった。
 見上げれば別世界の大流星が、トトの慟哭など知らぬように瞬いていた。

 布を掛けただけの戸から、淡い光が射し込んでいる。
 トトはその光をまぶたの裏で感じながら、今朝の夢の内容を思い出していた。懐かしい夢を見ていた。あれからもう五年も経つのだ。
 目を開けると、見慣れた住まいが見えた。十五年間住み慣れた、土造りの質素な家だ。夢の余韻を払うように、勢いをつけて起きあがると、そのまま立ち上がり、戸布を上げて外へ出た。
 一瞬、まぶしい朝日に目がくらんだが、慣れてくると、これも十五年間見慣れたいつもの風景が見えてきた。気持ちのよい風が吹いた。
 トトの家は、見上げるほど大きな大炉の壁に掘られた穴蔵になっている。大炉の壁は螺旋階段のように土が削られていて、トトの家の両隣にも、その隣にも、同じように穴蔵型の家が並んでいる。螺旋階段の一番上には、このダガの里の一切を決める権限を持った、じじたちの部屋がある。じじたちの部屋の入り口は赤い上等な垂れ幕で仕切られていて、トトはその向こうを見たことがなかった。じじたちの部屋に入れるのは、成人した者だけだったからだ。
 ダガの里からは海が近い。トトの家からは、濃紺色の海が水平線まで見渡せた。しばしトトは水平線を見つめた。海の青と、空の青が近々と接する一本の線は、朝日を浴びて白く光っていた。
 トトは深く息を吸った。
(今日で、おれは成人する)
 心の中でそう呟くと、成人するという実感が胸の中に沸き上がってきた。荒野の男は十五歳で元服する。ダガの里伝統の『成人の試し』を受けて、『成人の証』を手にすることができれば、今年で十五歳のトトは里の大人として認められるのだった。
 トトは身支度のためにいったん家の中に戻った。いつもの筒袴といつもの頭帯、いつもの肩布を身につけた。肩布は、里の女たちがまじないを込めて丹念に模様を織ったものだ。
 女たちには『成人の試し』はない。故に女たちは、一生じじたちの部屋に入ることはなく、里のまつりごとを動かすことはない。だが、彼女らは市に売る布を織り、畑を耕し、この里の大事な財源と食糧を支えていた。トトの肩布は、そんな里の女たちが織ったものだった。
 身支度が終わって再び外へ出たトトは、ふと、いつも自分のあとをついてくるナユタの巨体がないことに気がついた。どうせまた、犬にでも追いかけられているのだろう。気は乗らなかったが、今日は『試し』のために里のつとめから解放されていて、他にすることがない。仕方なく、トトは頼りない弟分を探しに行ってやることにした。
 まずトトは、畑に向かった。畑は螺旋階段を降りて、広場を左に向かったところにある。それほど広い畑ではないが、土が貧弱で乾燥した荒野でも育つ野菜と、わずかな米を育てていた。今はトマトが食べごろだった。
 畑の傍らには、穀物庫がある。その脇には、石造りの炉が作られ、朝と晩に、女たちが里の全員分のごはんを作っていた。
「おや、トト!」
 炉の前で鍋の火加減を見ていた女が、足元にまとわりつく鶏を踏まないようにして歩いてくるトトに気づいた。
「ごはんがまだだろう」
 そう言って、碗に鍋の中身をよそってトトに分けてくれた。トトは礼を言ってから碗を受け取り地べたに座ると、あつあつのゆげがたつ汁を一口すすった。歯ごたえがある大振りのタム芋がたっぷり入った、いつものあさげだ。タム芋の素朴な甘みが染み出した汁に、自然と顔がほころんだ。
「そう言えば、ナユタを見なかったか?」
 トトの様子を微笑ましげに見ていた女は、問われて目をしばたいた。
「ナユタかい? さあねえ。さっきまで鍋の中身を物欲しそうに眺めていたけど」
 もう、どこかへ行ってしまったのだということだった。しかしトトは特に気にせず、タム芋の汁物を食べ続けた。タム芋を租借しながら畑を見渡すと、土をいじる女たちの姿がよく見える。その中に、いつもトトの姿を見つけると手を振ってくる妹の姿がないことに気がついた。
 家を出るときにはもういなかったのだから、まだ寝ているということはないはずだ。その疑問を口に出したが、鍋をかき混ぜる女はにやにやと笑うだけだった。その意味ありげな様子に眉をひそめながらも、トトはそれ以上たずねようとはしなかった。
 あさげをゆっくり味わってから、トトは物見台に向かった。物見台へ行くにはまず、螺旋階段を上ってじじたちの部屋の前を横切り、大炉の中に入る。大炉の中心は、真ん中に太い土の柱を残してくりぬいたように穴が掘られている。ここの広さは、螺旋階段にそって作られた家々とは比べものにならないくらい広い。
 大炉の中では里の穀物を保存したり、外から仕入れてきた品を集めたりしている。里で一番人の出入りが多く、活気がある場所だった。この場所に、里のみなは毎日必ず一度はここを訪れる。ここに里の中心があった。
 すれ違う人たちから声をかけられ、それに応えながら、トトはまっすぐ物見台に向かった。物見台は大炉の壁から少し出っ張るようにして造られている。ここはトトの家よりも高い位置にあり、海が広く見渡せた。
「おお、トト。どうした?」
 物見当番の男が振り返った。五年前、トトにラルイカの剣を手渡した男だ。彼はあれ以来、何かの度にトトや妹のことを気にかけてくれている。
「ナユタを探しているんだ」
 里の様子を見渡せる物見台からなら、ナユタが見つかるのではないかと考えてやってきたのだ。だが物見当番の彼もナユタの姿は見なかったらしい。
「また、ルトに追いかけられているんじゃないのか?」
 男が笑いながら言った。ルトとは雌の黒犬だ。里の番犬として、時に猟犬として大事にされている。

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無題
どうも、お久し振りですー。いつもサイトの方、拝見させて頂いております。
小説! 現役物書きとしては是非反応したい分野ですので、簡単な感想をばー。

抒情的で、読み手を惹きつける力があるなぁと思いました。
説明的な部分も上手く表現していますね。
世界観や文化などの描写などでありがちな、
固有名詞をただひたすら書き殴っていて、
読者を置いてきぼり、という傾向がないのは、
基礎が出来ているという証拠ですね。
あと、文章から容易に情景が想像出来たので、非常に読みやすかったです。これも大きな要素かなと。
個人的には、ラルイカ様が里に帰ってこなかったシーンの描写が特に惹きつけられました!

やはり、文章を読むというのは勉強になりますねー。
という訳でグダグダ語り散らかしてしまい
(しかも、感想というよりは批評かも><)、すいませんでした;

>夜明けのホシウタ
スクショのラルイカ様に(;´Д`)したバカは私です……。
サクッとプレイしやすい作品で良ゲーな印象なので、
バージョンアップ後は再プレイさせて頂こうと思います!
ところで、ベクターの申請ってそんなに時間かかるのでしょうか……?
私がベクターにゲームを登録したときは、休みを挟まなかった限りは、
大体申請から1~3日で公開されたんですけどねぇ……。

長文&乱文失礼しました><
ではでは!
2012.02.15  10:23  Posted by 桃隆
無題
もろもろの事情で遅くなってすみません・・・汗;
わざわざ感想頂いてしまってありがとうございました・・・><;

ベクターさんは以前「ホシウタ体験版ver2.0」を更新したときに反映がやたら遅かった気がしたのですが、今回は3日ほどで更新されたようでした。
内容はあまり変わっていませんが、「夜明けの~ver2.0」も楽しんでいただければ幸いです。
2012.02.18  23:12  Posted by 山乃(管理人)
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漫画は読むより描くのが好き。
自己満足オリジナル漫画公開中。
RPGツクールにも侵食中。
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